Monday, October 2, 2017

看護師さんの悩み「患者さんの急変対応が怖い」を克服する方法 | creative deconstruction

天気の急変

急性期病院のみならず、慢性期病院の患者さんも容態が急変することがあります。

心肺停止する患者さんは、8時間前には容態が悪化する兆候が見受けられます。しかし、兆候なので容態の変化を見逃してしまうこともありますよね。

突然急患対応するのと構えながら対応するのとでは、看護師さん自身も精神的な負担が変わります。

しかし、急変はいつ起こるか分かりません。患者さんの急変はベテラン看護師さんですら動揺するものです。経験年数の少ない看護師さんなら尚更ですよね。

経験年数の少ない看護師さんでも患者さんのちょっとした変化をキャッチするフィジカルアセスメント能力を高めることはできます。

今回は急変の最重症「心肺停止」時に備えて、日頃から看護師さんが心得ておくべくことをご紹介します。

急変時の流れを理解し、患者の異変に気付く

診察、観察

急変 ― それは患者さんの症状が予測していた臨床経過から大きく外れることであり、最悪の場合死に至る可能性のある状態です。

Step① 「いつもと違う、何か変」と気が付く

急変時、看護師さんは生命維持、緊急処置などの迅速な対応と患者さんへの安楽的なケアが求められます。

しかし、予測不能な事態に迅速な対応をとることは非常に難しいでしょう。

急変対応は「患者さんの様子がいつもと違う」と気付くことから始まります。「気付き」は急変対応の最初の行動です。

step② 患者さんの様子・容態をチェック

チェックする項目は次の通りです。

項目 内容
表情、顔貌 顔色が赤い、青白い、土気色
皮膚状態 皮膚が冷たく湿っている、チアノーゼがある、発疹、発汗
呼吸状態 大きないびき、寝息
体位 けいれん、硬直、不自然な体位

患者さんの外観に明らかに異常がある場合は「急変の宣言」として応援要請し救急カートを用意します。

この時点で判断がつかない場合は、ABCの確認を行います。

step③ 瞬時にABCの異常を確認

ABCの確認とは3つの確認の頭文字を用いた確認方法です。

確認部位 内容
気道(airway) 気道が開通しているかどうか確認
呼吸(breahting) 呼吸のスピード、深さ、パターン、胸部の動きを確認
循環(circulation) 橈骨動脈の蝕知、皮膚の状態を確認。患者さんの右脇から顔と顔と近づけ、右手を患者さんの右胸部に持っていく。

ABCの確認で異常を判断したら「急変の宣言」をします。このとき「○○さん、Aは異常ないですが、BとCに異常があります。救急カートと除細動器をお願いします。」と言って応援を呼びます。

心肺蘇生法を復習する

勉強、復習

呼吸・循環機能を維持する目的で、心肺停止状態の患者さんを胸骨圧迫、人工呼吸します。これを心肺蘇生法と言います。

心肺蘇生法は一次救命処置と二次救命処置の2種類に分類されます。

一次救命処置「BLS」と二次救命処置「ACLS」

一次救命処置は医療従事者なら誰もが身に付けておくべきスキルです。

院内や医療団体でも頻繁に講習会が行われるので、積極的に参加して本番に対応できるようにしておきましょう。

今章では一次救命処置について簡単にご説明します。

一次救命処置のCPR
  • 呼吸がないことを確認
  • 胸骨圧迫を強く(成人は少なくとも5センチ、小児は胸の厚さの3分の1)早く(最低でも1分に100回)絶え間なく行う
  • 30:2の割合で胸骨圧迫に人工呼吸を加える(人工呼吸ができない状況では胸骨圧迫のみ行う)

CPRは一次救命処置のアルゴリズムの一部です。他に応援要請やAEDの使用、ALSチームへの引き継ぎなどがあります。

一次救命処置に最低限必要なスキル

続いて、一次救命処置に最低限必要なスキルを3つご紹介します。3つのスキルを抑えておけば、急変時にも落ち着いて対応できるはずです。

胸骨圧迫

胸の真ん中、胸骨の下半分を圧迫します。胸壁が5センチ程度沈む程度の圧迫を1分に100回行います。

胸骨圧迫は圧迫を完全に解除するため、胸壁が元の高さまで戻ることを目視で確認してください。

大切なことは強く、速く、絶え間ない胸骨圧迫です。適切なテンポと深さで胸骨圧迫を行うことが重要です。

リズムチェックのタイミング2分ごとに人員を交代し、質の高い胸骨圧迫を行いましょう。

気道確保

気道確保には、頭部後屈顎先挙上法と下顎前方引き出し法の2つがあります。基本的には頭部後屈顎先挙上法を用いて気道確保を行います。

患者さんの前額部に片方の手を置き頭部を後屈させます。同時にもう一方の中指と薬指で下顎を挙上します。

このとき、指の圧迫が顎のみであると喉を圧迫させることもあるので注意が必要です。

人工呼吸

呼吸停止の患者、自発呼吸が十分にできない患者に対して、補助呼吸を行うことを人工呼吸と言います。

胸骨圧迫30回、人工呼吸2回のサイクル(30:2)を繰り返します。

人工呼吸は気道確保後に行い、1回の吹き込み時間に1秒かけます。

胸骨圧迫・気道確保・人工呼吸とセットで1サイクルです。院内や医療団体の講習に参加し、本番でも実践できるスキルを身に付けましょう。

まとめ

看護師、検診、患者、問診

「急変対応に不安がある」「以前の急変対応でのトラウマがある」など、患者さんの急変に悩む看護師さんは少なくありません。

しかし、不安を抱くだけでは成長できません。

急変対応の流れやスキルを再確認し、時間の許す限り講習に参加しましょう。本番で実践できて、初めてスキルになります。知識を活かすためには行動あるのみです。

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